2012年10月10日

首相・知事トップ会談 お話にならず

首相・知事トップ会談 お話にならず 
(琉球新報10/10、記事原文はこちら



琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2012.10.09 仲井真知事 野田総理にオスプレイ配備撤回を要請


琉球新報10/10社説 知事・首相会談 意図的な印象操作はやめよ  
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知事・首相会談 意図的な印象操作はやめよ

 野田政権は沖縄の声に耳を傾けるという体裁を繕ってはいるが、県民の痛みと真剣に向き合うつもりなど、さらさらないことがあらためてはっきりした。それ以上に不純な動機を隠そうともしない無神経さに、怒りを禁じ得ない。

 仲井真弘多知事は9日、野田佳彦首相と官邸で会談し、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への配備撤回を求めた。首相は「重く受け止める」としながらも、配備撤回に応じることはなかった。想定内の回答であり、何ら驚くに値しない。

 許し難いのは、首相会談直後に、沖縄政策に関する関係閣僚と知事との意見交換の場が政府側の提案で設定されたことだ。沖縄の基地負担軽減と沖縄振興策をセットにして話し合うこと自体、「アメとムチ」で問題解決を図ろうという魂胆が見え隠れしており、やはり不純なものを感じる。

 それはオスプレイの普天間配備強行後の5日、沖縄政策に関する関係閣僚会合を開いたことからも見て取れる。外務、防衛大臣のほか、副総理や財務相らが出席し、普天間移設問題や沖縄振興策などの課題について、政府が一体となって取り組む方針を確認している。

 裏を返せば、野田政権や防衛官僚などの間には、「沖縄はしょせん、金次第で片が付く」との差別意識が根強いことを示している。より悪質なのは、そのような誤った認識を、国民にも植え付けようと躍起になっていることだ。

 実際にオスプレイが配備された今月1日以降、那覇、浦添、宜野湾の市街地上空では、回転翼を上に向けたヘリモードでの飛行など、日米両政府が9月に合意した安全対策に違反する飛行が頻繁に確認されている。

 首相は知事との会談で「安全対策の順守をフォローアップする」と述べたが、本来ならば安全対策の順守徹底を確約するのが筋だ。そうしない、いや、できないのは、配備ありきで、米軍の運用を制限する安全対策が“空手形”であることを知っているからにほかならない。

 首相―知事会談や関係閣僚会合は、沖縄は懐柔できるとの国民向けのパフォーマンスであり意図的な印象操作だとの疑いを指摘せざるを得ない。県民は単なるセレモニーやガス抜きの場など望んでいない。日本政府は即刻、オスプレイ配備の見直しを米側に要求すべきだ。
(琉球新報10/10社説、記事原文はこちら



首相・知事トップ会談 お話にならず 
(琉球新報10/10)




琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2012.10.10 沖縄国際大学佐藤学教授に聞く 県民の反対押し切りなぜ配備


10/11追記

沖縄タイムス10/11社説 [民主党に問う] 沖縄を直視しているか 
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[民主党に問う] 沖縄を直視しているか


 日米両政府が米軍普天間飛行場の返還合意をしてから16年。自民党の橋本龍太郎首相から民主党の野田佳彦首相まで、政権交代を挟んで首相は10人を数えるが、政府と沖縄の距離がいまほど開いたことはない。

 普天間問題の原点である「負担軽減」と「危険性の除去」に逆行するにもかかわらず、野田政権は、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機の普天間への強行配備を認めた。

 仲井真弘多知事、佐喜真淳宜野湾市長の直訴に対し、首相は全く取り合わなかった。

 沖縄の、保革を超えて一本化した民意を力で押さえ込むような強権政治は、これまでなかったことである。

 何度も繰り返すが、県知事と県議会、全41市町村長と市町村議会が反対し、主催者発表で10万人以上が県民大会に参加した。普天間の主要ゲートが非暴力的手段で封鎖され、警察によって強制排除されてからも県民、市民による抗議行動が続いている。

 間接民主主義、直接民主主義のいずれの手段でも沖縄の意思は明確に示されているのである。

 にもかかわらず、野田政権は沖縄の民意を歯牙にもかけない。日本のどこに、このような仕打ちを受けている都道府県があるだろうか。

 民主党のすべての国会議員に聞きたい。

 「皆さんは政治家として沖縄のこの現状をどう思っているのですか。見ざる、聞かざる、言わざる、の態度でいいのですか」

    ■    ■

 沖縄の声は、野田首相の耳にストレートに届いているのだろうか。

 普天間問題やオスプレイ配備について沖縄防衛局、外務省沖縄事務所は情報を正確に上げているだろうか。防衛省、外務省は初めから「オスプレイ配備ありき」である。円滑に配備することしか念頭にない。野田首相本人にも沖縄の声に耳を傾けようとする姿勢が感じられない。

 本来なら、民主党県連と国会議員の出番であるはずだが、県連は機能せず、国会議員はいなくなった。2009年の解散総選挙で沖縄の4選挙区で初めて民主党議員2人が誕生し、逆に自民党は史上初めて議席がゼロとなった。だが、消費税増税法をめぐり2人が離党したのである。県議選でも敗北し、県議はいまや1人しかいない。

 政権政党でありながら、県連はがたがた。沖縄の声を政権に伝えるパイプは目詰まり状態だ。

    ■    ■

 鳩山由紀夫元首相は、公約した「国外、最低でも県外」に挫折し、その跡を継いだ菅直人前首相は普天間問題に一切タッチしなかった。

 沖縄の「頭越し」に進めないというのが自民党時代からの大原則であったが、野田首相はこれを捨て去り、対米従属を深めるばかりだ。

 野田首相はオスプレイ配備について、どうのこうの言う話でない、と語った。主権の放棄に等しい。地域主権を掲げる民主党の国会議員にもう一度聞きたい。「皆さんは政治家として沖縄のこの現状をどう思っているのですか」
(沖縄タイムス10/11社説、記事原文はこちら



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Posted by ミチさん at 23:55│Comments(0)オスプレイ
 
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