2012年09月04日

与那国自衛隊配備を問う、住民投票条例案制定を請求

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与那国への自衛隊配備 住民投票の実施求める 与那国改革会議 (琉球新報2012.9/4)

・八重山毎日9/4 与那国改革会議、住民投票条例案制定を請求


琉球新報9/4社説 与那国住民投票 島の再生・発展に英知を
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与那国住民投票 島の再生・発展に英知を

 与那国町への自衛隊配備の是非をめぐる論議は新たな段階に進んだ。住民投票の実施を求める与那国改革会議が3日、外間守吉町長に544人分の署名を手渡し、住民投票条例の制定を直接請求した。

 町議会は住民投票に否定的な議員が少なくないようだが、力に任せて請求を拒絶するのではなく、民意を尊重して条例制定に尽力すべきだ。

 直接請求に対し、外間町長は「町民の民意を問うことがベターだ」と前向きな姿勢を示した。町長の冷静な判断を支持したい。

 主権者の住民が法的手続きを踏んで重大な問題は自分たちで決めたいと言うのだから、これを尊重するのが民主主義国家の議会の責務だ。町議会にも熟議を求めたい。

 配備推進派は、同町への自衛隊配備は2009年町長選で争点となり、外間町長が勝利したことで決着済みという立場だ。しかし町長選は自衛隊配備だけではなく、観光や農漁業の振興、福祉の在り方など多様な争点で争われた。その結果をもって問題を解決済みとするのは無理がある。何よりも今日、自衛隊配備をめぐり島が分断されている現実が「決着済み」でないことを雄弁に語っている。

 尖閣問題をめぐる領土ナショナリズムの高まりを考慮すると、与那国島への自衛隊配備が中国や台湾との間に無用な緊張やあつれきを生まないか懸念する。軍隊が住民を巻き込み、犠牲を拡大させた沖縄戦の経験に照らしても、与那国の軍事要塞(ようさい)化は賛同できない。

 島の平穏な暮らし、先祖伝来の自然や文化を守るために何をなすべきか、長期展望に立った議論こそ必要ではないか。自衛隊は地域振興を目的に離島に駐屯するわけではない。そうと知りつつ地域振興に役立つとする根拠は何か。それは一時的しのぎではなく、数十年先まで島の平和と安定、住民の幸福を真に見据えたものなのか。

 自衛隊に頼らず島の未来を切り開くという場合、従来言われてきた「国境の島」としての交流・発展の可能性のほか、子どもからお年寄りまで安心して住める島の環境を具体的にどう整えていくのか。

 住民投票は「対立」を「融和」へ、「過疎化」を「活性化」へ転換する千載一遇の好機にもなり得るはずだ。外間町長と町議会議員には全町民の代表として、島の再生・発展へ向けた住民の論議を、公平公正に後押ししてほしい。
(琉球新報9/4社説、記事原文はこちら


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Posted by ミチさん at 15:53│Comments(0)宮古・先島諸島
 
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