2014年03月14日

前代未聞 文部科学省 竹富町に是正要求

国が市町村に直接是正要求するのは、全国で初めて
沖縄の1冊の教科書をめぐり、後には引けない安倍政権の事情とは
第一次安倍政権が「戦後レジームからの脱却」の大号令の下、急速に進めた国家主義的な教科書づくりを思い出せばその理由がわかります。


そもそも事の発端はこうだ(この不審な経緯こそ重要
経過を振り返る。石垣・竹富・与那国3市町の教科書を話し合う八重山採択地区協議会会長の玉津博克石垣市教育長は2011年6月、教科書調査員を独断で選任できるよう規約を改正しようとして反対された。役員会で選任することになったが、玉津氏は役員会を開くことなく独断で委嘱した。
 その調査員も、報告書では、保守色の極めて強い育鵬社版の中学・公民の教科書について「文中に沖縄の米軍基地に関する記述がない」などと難点を指摘。複数を推薦した中に育鵬社版は入れていなかった。
 だが同年8月23日の採択地区協議会は、玉津氏の主導で育鵬社版を選ぶよう答申した。しかし竹富町教委は8月27日、選考過程における前述の不審な点を挙げ、育鵬社版でなく東京書籍版を選んだ。
 一方、石垣・与那国2市町教委は育鵬社版を選定。3市町教委は8月31日に採択地区協議会を開き、再協議したが、決裂した。
 9月8日、今度は3市町教育委員全員で協議し、多数決で東京書籍版を選んだ。だが文科省は「全員協議はどこにも規約がない」と、この選定を無効とした。
 規約の有無を言うなら、玉津氏の調査員選任も規約にない手法だった。その点は問わないのか。
 政府は同年11月、「自ら教科書を購入して生徒に無償で給与することは、無償措置法でも禁止されるものではない」との答弁書を閣議決定している。竹富町教委の行為は合法だと閣議で決めたのだ。それが自民党に政権交代した途端、違法になるというのか。
このようにどう見ても竹富町教委の行為は正当な教育行政だ。それをあたかも違法であるかのように政府は印象操作している。

以上のように、選定ルールを破ったのは玉津博克石垣市教育長であり、それに乗じてルール(法律)変更をもくろむ政府こそ問題なのだ。
その玉津教育長の後ろ盾が去った石垣市長選で再選された中山義隆石垣市長である。 

【関連する日記アーカイブ】
2014.01.18 何が何でも自民お気に入りの教科書を使わせたい意図 見え見え


【チェックしてほしい記事はこちら】

3/27追記

石垣市 是正要求に抗議し集会(琉球朝日放送のニュース映像3/27)


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3/26追記

八重山教科書問題 教育長改めて県の権限を主張(琉球朝日放送のニュース映像3/26)

文部科学大臣 是正要求応じないのは「遺憾」 (琉球朝日放送のニュース映像3/25)

・≪社説是正要求拒否 竹富町の判断こそ正当だ(琉球新報3/26)

竹富町教委、是正要求を拒否 「現場に問題ない」 (琉球新報3/25)

下村文科相「是正する義務ある」 八重山教科書 (琉球新報3/25)

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3/25追記

・≪社説[教科書変更応じず]毅然と圧力はね返した(沖縄タイムス3/25)

「是正要求あり得ない」竹富教委 (沖縄タイムス3/25)
教科書変更従わず 竹富町教委が方針 (沖縄タイムス3/25)

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3/24追記

竹富町教育委員会 是正要求に応じず不服申し立ても検討(琉球朝日放送のニュース映像3/24)

竹富町教委、国の是正要求に応じず 八重山教科書問題 (琉球新報3/24)


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3/19追記

文科省是正要求の撤回求める(琉球朝日放送のニュース映像3/18)

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3/15追記

・≪社説文科相是正要求 道理ゆがめる「恫喝」だ 不当な政治介入を撤回せよ(琉球新報・≪社説[教科書採択問題]是正要求は現場無視だ(沖縄タイムス3/15)3/15)


文科省が竹富町教委に全国初の是正要求 八重山教科書 (琉球新報3/15)
知事、竹富の対応注視 選定「厳密でない」 八重山教科書 (琉球新報3/15)
竹富町「東京書籍」継続へ 是正要求に反発 (沖縄タイムス3/15)
教科書是正要求:竹富住民、政治介入怒る (沖縄タイムス3/15)


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文部科学省 竹富町に是正要求(琉球朝日放送のニュース映像3/14)



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この記事へのコメント
3/15追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月16日 00:29
3/19追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月19日 14:23
「竹富町の子どもたちに真理を教える教科書採択を求める町民の会」が3月19日、文科省の是正要求に抗議し、撤回を求める声明を発表しました。
以下は町民の会からの賛同のお願いです。

「文部科学省による竹富町教育委員会への是正要求に抗議し、撤回を求める声明」に全国の皆さんの賛同を呼びかけます。 
2014年3月14日、文科省は竹富町教育委員会に沖縄県教育委員会を通さず、直接「是正要求」を送りつけました。これは前代未聞の異常な事態です。

全国の皆さん、私たちは、3月19日、この是正要求に抗議し、撤回を求める声明(末尾に掲載)を発表しました。この声明にどうぞ賛同してください。私たちと一緒に竹富町教育委員会を応援し、教育の自由と中立性を守りましょう。
 
下記の要領で賛同ください。賛同者のお名前を添えて、下村文部科学大臣へ届けます。

2014年3月19日
                 
竹富町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会
世話人代表 仲村貞子

ご賛同される方は、下記メールアドレス宛にEメールをお送り下さい。

あて先: chouminnokai@gmail.com 

メールタイトルに「声明に賛同」と必ず入力してください。 
メール本文にお名前(フルネーム)と、お住まいの都道府県 をお願いします。
コメント大歓迎。 匿名希望の場合はその旨書き添えてください。

締めきり: 2014年3月31日深夜(4月1日朝8時にメールボックスを開くのが最後です)

  

「文部科学省による竹富町教育委員会への是正要求に抗議し、撤回を求める声明」

2014年3月14日、文部科学省(文科省)は竹富町教育委員会へ是正要求を出しました。竹富町が中学校公民分野において、採択地区内で同じ教科書を使っていないのは、教科書無償措置法に違反しているから、2011年8月23日の教科書採択八重山地区協議会で選ばれた育鵬社版を使用せよとの強制です。

しかし8月23日の協議会は、石垣市教育長である玉津博克協議会会長による独善的な協議会規約の改変とメンバーの入れ替え、教科書調査員の意見無視、無責任な選出方法など、非民主的で問題の多い協議会でした。公民教科書に関しても内容がほとんど審議されないまま、調査員の推薦のない育鵬社版を強引に選び、答申しました。

それを受けて石垣市と8月23日の協議会の審議過程に問題が多いこと、育鵬社版の公民教科書は米軍基地問題に触れていないなど、竹富町の子どもたちにふさわしくないことから、東京書籍版を採択しました。
 
これに対して文科省は、竹富町教育委員会の採択を違法とし、同年12月には無償措置からはずしました。しかし、同一地区内で同じ教科書が採択されていない状態が違法なのですから、3市町がそろって違法状態をつくっているのであり、竹富町だけを違法だというのは筋が通りません。

この状態を解消するため、文科省と沖縄県教育委員会の指導のもと、同年9月8日、採択地区内全教育委員の協議が行われ、6時間半に及ぶ論議を経て東京書籍版が選ばれました。ところが、文科省と石垣市・与那国町教委はその協議を無効とし、今に至るも同一教科書採択は実現していません。 

教科書無償措置法は、採択地区内の協議で同一教科書を採択すると規定しています。9月8日の協議を認めないのなら、文科省は協議を続けるよう指導すべきです。それゆえ、是正要求によって育鵬社版の教科書採択を強制する文科省こそが、市町村の教育委員会に採択権を認めている地方教育行政法に違反していると言わざるを得ません。したがって、今回の是正要求はまったく不当であり、違法です。直ちに撤回すべきです。

竹富町の島々では先の戦争で、空爆やマラリア有病地への強制疎開などにより、家族や友人を失った者も多く、西表島には軍の「慰安所」もありました。沖縄島で地上戦に巻き込まれた経験を持つ町民も身近にいるので、戦争を知らない世代は彼らの体験を聞く機会に恵まれています。
 
しかし、それだけでは歴史や公民の学習には不十分です。子どもたちは学校で、戦争が起きた経緯や当時の日本政府の過ちもきちんと学び、自分の頭で考える力をつけることがぜひ必要です。それには育鵬社版公民教科書は適しません。この点でも私たちは竹富町教育委員会の決定を断固支持します。
 
たった50冊の教科書に、なぜ文科省が執拗に介入するのでしょうか。教科書検定基準や教育委員会制度の改悪、武器輸出三原則の事実上の撤廃、特定秘密保護法の強行採決など、今の政治状況をみると、行きつく先は国定教科書の復活、そしてまたもや戦争ではないかと危惧せずにはいられません。

また、沖縄は戦後69年間、人権を奪われ、米軍基地の集中など、米軍と日本政府の差別政策によっていじめ続けられています。今回の文科省による竹富町教育委員会への強権発動も「弱いものいじめ」そのものです。辺野古新基地建設問題では、稲嶺名護市長が市長権限で建設に抵抗するなら、政府はやはり、地方自治法による是正要求を検討するということです。このように文科省の竹富町教育委員会への是正要求は、教育の国家統制だけでなく、地方自治を抑圧する第一歩でもあり、とうてい許すことはできません。

私たちは、政治が教育に介入することに断固として反対します。
 
私たちは、文部科学省が竹富町教育委員会に発した是正要求を直ちに撤回することを強く要求します。
 
2014年3月19日
 
竹富町の子どもたちに真理を教える教科書採択を求める町民の会
Posted by 田中むつみ at 2014年03月21日 21:09
>田中むつみさん
コメントありがとうございました

竹富でいま起きてることは、まちがいなく今後全国で起きることです
息の長い取り組みが必要です
どんな内容の教育を受けるかの権利は子どもにあります
どんな内容の教育を受けさせるかの権利は子どもの保護者にあります
いずれにしても国家(政府)にはありません
公権力の乱用は許せません
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月24日 23:21
3/24追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月24日 23:22
3/25追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月25日 09:45
3/26追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月27日 00:08
3/27追記しました
Posted by ミチさんミチさん at 2014年03月28日 00:08
 
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