2010年07月27日

普天間結論は知事選後

普天間結論は知事選後 
(沖縄タイムス7/26、記事全文はコチラ


[普天間決定先送り] 正面から議論すべきだ

 米軍普天間飛行場の移設問題で、政府は新飛行場建設の工法や位置など移設計画の最終決定を11月の県知事選以降に先送りする方針だ。

 「最低でも県外」という公約を覆し、名護市辺野古への移転を米政府と合意、その後の参院選で沖縄選挙区は不戦敗として民意を問うこともなかった。さらに最終結論を知事選後に先送りする狙いはいったい何だろうか。

 政府は8月末までに専門家による検討を終え、工法と位置を決めるが、それが最終的な結論ではない、と説明する。北沢俊美防衛相は「実現可能性を考えたとき、知事選の政治的インパクトは強い」とし、知事選の結果を踏まえながら最終判断するという

 この進め方を聞いてすっきり理解できる人は果たしているだろうか。5月末の日米合意で「いかなる場合でも8月末までに」と明記した時すでに、11月の知事選は予定されており、いまさらその結果が重要だ、というのもおかしな話だ。

 普天間問題はまだ宙に浮いた状態だ。名護市長選で移設反対派が勝利しても当時の平野博文官房長官は「斟酌(しんしゃく)しない」と地元の民意に背を向けた。鳩山由紀夫前首相が公約した「最低でも県外」がどうして不可能なのかについて政府は説明しない。

 民主的な意思決定には、十分な情報公開とそれに基づく議論が絶対条件だ。本来なら知事選に向けて政府方針を明らかにし、選挙で賛否を問うべきだ。議論の機会すら奪おうとする手法では混迷は深まるばかりだ。

 普天間問題をめぐり仲井真弘多知事は立ち位置が定まらない。政府が計画の詳細を提示する前に判断できない、と主張する。このまま政府が結論を先送りするのなら、知事選後まで明確な態度表明はできないことになる。

 1月の名護市長選で知事は県内移設を容認する島袋吉和前市長を推した。7月の参院選では県内反対を訴えた島尻安伊子氏の選対本部長を務めた。そして9月の名護市議選では島袋前市政を支えた市議らの再選と同勢力の議席増を支援している。 

 市議選の結果を注視する政府にとっては島袋前市長派の議席増が好都合だ。

 政府は9、11月の選挙に辺野古移設の突破口を見いだしたいところだろう。政府の結論先送りによって知事も態度表明を先送りし、基地問題が争点から外されていく。

 こうしたモザイク絵のような政治がいつまでも続いていいはずがない。

 政府との交渉回路を切断するわけにはいかない、と知事が考えるのは行政の長としての判断かもしれない。

 しかし辺野古移設に向けて米側と技術的な詰めを進めようとしている政府の出方を見守ろうというのだろうか。少なくとも賛否を明らかにすべきだ。

 知事は「マスコミを通してしか情報がこない」と愚痴をこぼすが、いつまで受け身で居続けるつもりなのか。

 しっかり交渉して問題先送りを許さない態度が県知事には不可欠だ。(沖縄タイムス7/27社説



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Posted by ミチさん at 14:40│Comments(0)反基地
 
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