2012年04月02日

沖縄県に「地域安全政策課」スタート

基地負担軽減を目指す沖縄県の「地域安全政策課」が1日、発足した。

安全保障部門が自治体の中に作られるというのは全国でも初めてだという。


琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2012.04.02 基地問題の解決に向け「地域安全政策課」を新設


沖縄タイムス4/2社説 [県地域安全政策課]独自の安保観醸成せよ
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[県地域安全政策課]独自の安保観醸成せよ


 基地負担軽減を目指す県の「地域安全政策課」が1日、発足した。ワシントンのシンクタンクや米政府関係者らと人的ネットワークの構築を進め、米国の安全保障政策に関する最新知見を得るという。

 なぜこのような部署が新たに必要になったのか。背景には、米国の軍事戦略の目まぐるしい変化がある。米国は先日、冷戦後の米軍の根幹とされてきた「二正面戦略」の放棄を正式に表明した。厳しい財政事情の下、米議会は軍事予算圧縮を唱え、在沖海兵隊のグアム移転や普天間問題の行方にも波及している。

 一方、日本政府には「日米基軸」以外の概念は皆無である。思考停止の官僚主導下で独自の安保政策など望むべくもない。普天間問題では米国から辺野古移設の実行責任を課され、県外移設を求める県民の声には一顧だにしようとしないのが現状だ。

 こうした事態打開には、主体的に米軍の軍事戦略の把握に努めることも有効だろう。沖縄に米軍基地が集中する真の理由は何なのか。県が独自に検証することで、政府交渉に一石を投じる局面も生まれるかもしれない。日米に負担軽減を申し入れる、という従来の立場を超え、より積極的に「変化を促す」役割を担うことができれば申し分ない。

 ただ、そのためには県独自の安保観を構築することが不可欠だ。米国の軍事の論理に、いかに器用に対応していくか、という小ぶりなスタンスでは「全ては米国次第」となる。それでは、米国の都合に振り回される日本政府の後を追うことにしかならない。

 政府が「専権事項」とする安全保障分野の専門部署を、地方自治体に設置するのは異例だ。政府が苦々しい思いを抱いてもおかしくはない。だが、安保政策に関し、政府は基地を支える地元の意向よりも常に米国の国益を優先させてきた。それを自前の政策であるかのように「専権」と押し付けられる筋合いはない。

 県内には沖縄防衛局、外務省沖縄事務所という防衛・外務両省の出先機関もある。だが、沖縄の声を中央に届ける役割が機能しているようには到底思えない。沖縄防衛局は「辺野古移設」に前のめりになるあまり、民意を敵視するかのような異常な行動原理が顕在化している。東村高江のヘリパッド問題では、住民を訴える愚挙に出た。その横暴ぶりは「どこの国の政府機関か」と疑いたくなるほどである。沖縄の動向を「監視、誘導」することに力点が置かれているようにしかみえない。

 同課の設置、運営には当然コストがかかる。税金を投入する以上、住民の利益に寄与することが厳しく問われる。そのためには、常に住民自治を優先する立場から情報を活用し、政策に反映させる独創的な知恵が求められる。国家の論理に翻弄(ほんろう)されず、国境エリアを抱える地域行政の視点を大事にしてもらいたい。

 沖縄が置かれた安保環境を把握するには、米国だけでなく、中国など東アジア各国の動向や市民感情の機微をつかむ必要もあるだろう。民間や自治体外交の促進にもつなげる役割を期待したい。
(沖縄タイムス4/2社説、記事原文はコチラ



沖縄県に「地域安全政策課」スタート 
(琉球新報4/2)



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Posted by ミチさん at 23:34│Comments(0)反基地
 
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