2010年07月24日

続「アメとムチ」の構図 ~砂上の辺野古回帰~⑥

久辺3区 基地対応に温度差
 
「親米軍」色も


 辺野古区が条件付き移設容認を決議した10日後の5月31日。久志区行政委員長の森山憲一は辺野古交流プラザに辺野古区長大城康昌を訪ね、こう申し入れた。

 「久志区まで移設容認と見られては遺憾。うちでは区民総会が最高意思決定機関であり、そこで反対が決議されている」

 発端となったのは同日付の新聞記事。辺野古区の行政委員会関係者の談話として「市長の移設拒否と地元3区の意向と、どちらを優先するのか」と3区の意向を一括りにした記述があったためだ。

 辺野古区に隣接する久志区の行政委員会は1999年と2005年の2度にわたって反対を決議。移設計画が最初に浮上して間もない1997年には、区民総会でも同様の議決が採られている。

 大城は「そちらの事情はよく分かっている。発言したのは私ではないが、不適切な表現だ」と応じた。

 米軍普天間飛行場代替施設移設先の「地元区」とは、一般的に辺野古・豊原・久志の3区を指す。辺野古と久志の頭文字を取って「久辺地域」ともいわれる。ほぼ全員が久辺小学校、久辺中学校で顔を合わせ、結び付きは非常に強い。

 だが、普天間移設問題の対応をめぐっては立ち位置が微妙に異なる。

 半世紀前に海兵隊施設キャンプ・シュワブを受け入れた辺野古区。区は10班に編成されているが、住民は米軍を「辺野古11班」と呼んで独自の交流を続けるなど「親米軍」の色が濃い。

 50年の朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)を契機に、米民政府は沖縄の軍事基地強化の方針を打ち出し、久志岳や辺野古岳を含む500エーカー(約2平方キロメートル)もの久辺地域の土地も接収対象とした。

 当時、辺野古港は沖縄本島の北部と中南部を結ぶ「山原(やんばる)船」の中継港で、住民は山から切り出した薪を商業船に託し、燃料として中南部地域に売ることで生計の柱をたてていた。山を奪われることが死活問題となる住民たちは騒然となった。

 住民は反対運動や要請活動を展開したものの、米民政府は強制立ち退きも辞さず、一切の補償も拒否するとの強硬な勧告を打ち出した。宜野湾伊佐浜集落が「銃剣とブルドーザー」で強制立ち退きされた事例も住民の危機感に拍車を掛け、地元は「条件付きで折衝に臨んだ方が得策」との結論に至る。

 村と区は基地受け入れと引き換えに、施設建設工事の作業に地元住民を優先雇用するほか、米軍の余剰電力や水道の利用などを求めた。米側がこれらの条件を全面的にのみ、村は56年12月、土地提供に応じる。(敬称略)
(続「アメとムチ」取材班)






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Posted by ミチさん at 15:16│Comments(2)反基地
この記事へのコメント
はじめまして。沖縄生まれ沖縄育ちのjinnseiです。

わたしは自分なりに沖縄の歴史、沖縄に基地がある理由、必要性などを調べていました。
そして結果、沖縄に基地があるのは日本とアメリカによる支配やエゴであり、沖縄にとって一切プラスにはなっていない。沖縄に基地はいらないという事実を知りました。

沖縄がかつては平和なひとつの国だったこと、400年間日本の植民地支配に置かれていること、65年間に及ぶ米軍の蹂躙が日本による弾圧行為だったこと(日本は憲法で武力行使ができないので、米軍に委託していたこと)などをしり愕然としました。さらに問題なのは、沖縄の若い世代は生まれたときから周囲に基地があったために、それが当たり前だと錯覚している人が多いことです。

わたしは自分なりの方法で沖縄人に真の意味での平和と安全、自立と独立を訴えるべく活動しています。
沖縄からすべての基地を追い出し、沖縄は沖縄人のもの、日本もアメリカも出て行けの精神で頑張っていきたいと思います。


※日本とアメリカの欺瞞を暴き、ウヨクの馬鹿さ加減をあぶりだすためのブログを変名で運営しています。ネトウヨホイホイな内容のため、見苦しい箇所もありますが一度覗いてみてください。
Posted by jinnsei at 2010年07月27日 09:14
>jinnseiさん

コメントありがとうございました。

沖縄の基地問題に関するさまざまな言説を聞いていると、それらが私には屁理屈にしか聞こえない。
大切なのは解釈論ではなく優先順だと思うのです。
「人並みのくらしができる環境にしてほしい」
「まともな場所で暮らしたい」
「沖縄の人たちに何の落ち度もないのになんでこんな罰を受けなあかんの」
ただただシンプルにそう思い、この不条理に黙っていてはダメだと思うだけ。
お願いしてもダメなら自分たちで奪い取らねば。平和的にね。
Posted by ミチさんミチさん at 2010年07月29日 01:45
 
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