2010年07月23日
本当なら たいへんなこと
(沖縄タイムス7/23)
[知事選に機密費?] 双方、納得いく説明を
自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(新党大地代表)が1998年11月の沖縄県知事選で、自民党が推薦する稲嶺恵一氏陣営に官房機密費3億円が渡されたと証言した。21日放送のTBS「NEWS23クロス」のインタビューで「(官房機密費を)3億円使ったと聞いている」などと答えた。
知事選は3選を目指す現職の大田昌秀氏と自民党が推す稲嶺氏が争い、稲嶺氏が大差で初当選した。
大田氏は米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古沖の海上ヘリ基地を拒否、政府と対立し経済振興策がストップしていた。稲嶺氏は15年の期限を付けた軍民共用空港を造ると公約し、冷え込んだ経済の活性化を前面に押し出していた。
鈴木氏の証言が事実であれば、国民の税金である官房機密費を使って政権党にとって好ましい候補者にてこ入れしたことになる。民主主義の根幹をゆがめるものである。
稲嶺氏の後援会の98年の政治資金収支報告書をめぐっては自民党本部からの寄付に関連し7000万円の出入りの齟齬(そご)が生じたことがある。当時も官房機密費流用疑惑が国会で取り上げられている。
政府は官房機密費について「国の事業を円滑に遂行するため状況に応じて機動的に使う経費」と説明するが、領収書もいらず、使い道も明らかにされない。会計検査院もアンタッチャブルである。官房長官が管理するが、裏金的な要素が強く、国民の政治不信を招く要因になっている。
最近になって官房機密費の使途を明らかにし始めたのは、小渕内閣当時、鈴木氏とコンビを組んでいた官房長官の野中広務氏である。
野中氏は各種インタビューで官房機密費を毎月5000万~7000万円使っていたなどと答えている。引き継ぎ帳があり、野党対策として、自民党の衆院国対委員長と参院幹事長に毎月500万円ずつ、首相側にも1000万円渡していたという。
政治評論家らに配られたことも明らかにしている。言論がゆがめられる恐れがあるゆゆしき問題である。
一方、鈴木氏はインタビューで自民党の歴代首相に「夏1000万円、冬1000万円」配られたと証言している。その中で県知事選にも触れ「沖縄サイドからそういう申し出があった。やっぱり選挙は勝たなければならない中で、最終的に判断されたと聞いている」と言っている。
当時の稲嶺氏の選挙責任者らは鈴木氏に名指しされたのも同然である。
確かに鈴木氏の証言には具体性に欠けるところがある。しかし、鈴木氏は旧沖縄開発庁長官を務め、現在は衆院外務委員長の要職にある人物である。
稲嶺氏本人は同じ番組で「お金にはまったくタッチしていないし、そのようなことは知らない」と反論している。
ぬれぎぬなのであれば、今度は選挙を主導した責任者らが鈴木氏に答える番だ。鈴木氏にはもっと具体的に、稲嶺氏陣営には県民が納得できる説明をしてもらいたい。(沖縄タイムス7/23社説)
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【関連する日記アーカイブ】
7/22 98沖縄県知事選に使われていた「内閣官房機密費」(初証言)
コチラもぜひお読み下さい
目取真俊ブログ7/22 沖縄県知事選挙への官房機密費流用問題
Posted by ミチさん at 15:47│Comments(0)
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