2010年06月20日
せめて子に安心な社会を
国民健康保険(国保)の保険料滞納者で、保護者が市町村窓口へ納付相談などに訪れず、保険証が更新されないため「無保険状態」となっている15歳以下の子どもの数が2010年5月末現在、県内で少なくとも3985人に上っていることが18日、琉球新報のまとめで分かった。
誰もが平等に医療を受けられるはずの保険制度が揺らいでいる。
本紙調査によると、県内で「無保険状態」となっている15歳以下の子どもの数が約4千人に上っている。
親が国民健康保険(国保)の保険料を滞納しても子どもが「無保険状態」にならないよう、昨年4月から中学生以下は短期保険証を交付する救済策が導入された。
だが、少なくとも3985人が「無保険状態」で、医療を受けづらい状況になっている。
県内で国保に加入する世帯は約25万5千世帯。滞納率は19・7%(2009年6月1日現在)。5世帯に1世帯が滞納している。
もはや「国保制度は崩壊している」と専門家は指摘する。対症療法には限界がある。社会保障制度の抜本的な改革が必要だ。
子どもが短期証発行を受けるには、親が市町村窓口に申し出る必要がある。保険料の収納率を上げなければペナルティーを受けるため、市町村は親に窓口に来てもらいたいというのが本音だからだ。
窓口に行けば支払いを催促されるという理由で保険証を取りに来ることができない世帯も多い。
無保険の子どもたちがこれ以上増えることがないよう市町村には柔軟な対応を求めたい。
国民健康保険は、自営業者や農林水産業の従事者、退職した高齢者らが加入する。
保険料滞納の背景には、所得格差や非正規雇用の急速な拡大が挙げられる。親の生活苦が子どもに影を落としている。
厚生労働省によると、全国民の7人に1人以上が貧困状態で、18歳未満の子どもが低所得家庭で育てられている割合「子どもの貧困率」は約14%だった。
先日公表された5年ごとに実施している暮らしについての県のアンケート調査(県民選好度調査)によると、現在の暮らし向きについは「悪化」が40・3%となり、「改善」の15・4%を大きく上回った。特に年収300万円未満の世帯が悪化している。
4月から、倒産や解雇などで職を失った人の保険料が軽減された。7月から救済対象に高校生世代も加える。こうした制度拡充が効果を挙げないのであれば、抜本改革するしかない。
7月の参院選挙で各党は国保改革の是非を有権者に問うべきだ。(琉球新報6/20社説)
(琉球新報6/19、記事全文はコチラ)
(琉球新報6/19)
無保険児 国保制度の抜本改革を
誰もが平等に医療を受けられるはずの保険制度が揺らいでいる。
本紙調査によると、県内で「無保険状態」となっている15歳以下の子どもの数が約4千人に上っている。
親が国民健康保険(国保)の保険料を滞納しても子どもが「無保険状態」にならないよう、昨年4月から中学生以下は短期保険証を交付する救済策が導入された。
だが、少なくとも3985人が「無保険状態」で、医療を受けづらい状況になっている。
県内で国保に加入する世帯は約25万5千世帯。滞納率は19・7%(2009年6月1日現在)。5世帯に1世帯が滞納している。
もはや「国保制度は崩壊している」と専門家は指摘する。対症療法には限界がある。社会保障制度の抜本的な改革が必要だ。
子どもが短期証発行を受けるには、親が市町村窓口に申し出る必要がある。保険料の収納率を上げなければペナルティーを受けるため、市町村は親に窓口に来てもらいたいというのが本音だからだ。
窓口に行けば支払いを催促されるという理由で保険証を取りに来ることができない世帯も多い。
無保険の子どもたちがこれ以上増えることがないよう市町村には柔軟な対応を求めたい。
国民健康保険は、自営業者や農林水産業の従事者、退職した高齢者らが加入する。
保険料滞納の背景には、所得格差や非正規雇用の急速な拡大が挙げられる。親の生活苦が子どもに影を落としている。
厚生労働省によると、全国民の7人に1人以上が貧困状態で、18歳未満の子どもが低所得家庭で育てられている割合「子どもの貧困率」は約14%だった。
先日公表された5年ごとに実施している暮らしについての県のアンケート調査(県民選好度調査)によると、現在の暮らし向きについは「悪化」が40・3%となり、「改善」の15・4%を大きく上回った。特に年収300万円未満の世帯が悪化している。
4月から、倒産や解雇などで職を失った人の保険料が軽減された。7月から救済対象に高校生世代も加える。こうした制度拡充が効果を挙げないのであれば、抜本改革するしかない。
7月の参院選挙で各党は国保改革の是非を有権者に問うべきだ。(琉球新報6/20社説)
Posted by ミチさん at 17:42│Comments(0)
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