2012年03月17日

沖縄問題 心寄せた論客 吉本隆明さん逝く

沖縄問題 心寄せた論客 吉本隆明さん逝く
(沖縄タイムス3/17、記事原文はコチラ



沖縄問題 心寄せた論客 吉本隆明さん逝く 
(沖縄タイムス3/17)



琉球新報3/17「金口木舌」
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 16日に亡くなった詩人で評論家の吉本隆明さんには、奄美の舟大工の思い出をつづったエッセーがある。父親が営む造船所が舞台で、20年前、東京・上野のタウン誌に掲載された
 
無口でおとなしい舟大工を通じて吉本さんは幼少時「やわらかくてやさしい」という沖縄のイメージを思い描いていた。その後の戦争で、沖縄のイメージは「かたい、苦しい、たたかいの日」に変わったという

 評論活動の領域は文学、政治、宗教、サブカルチャーと縦横無尽。既成の権威を批判し、果敢に論争を挑んだ。「共同幻想」「大衆の原像」などの「吉本語」は戦後思想の一断面を画する

 「南島論」などの論考で沖縄との関わりをもった。民俗、祭祀(さいし)、言語などから沖縄の古層を解き明かし、その地点から日本国家を根本的に問い直す試みで、沖縄でも反響を呼んだ

 南島を足掛かりに日本本土の歴史と国家を掘り返すという問題意識を提示する一方で、「祖国への復帰」「本土への奪還」を掲げた復帰運動には厳しく接し、「行くも地獄だ、帰るも地獄だ」とまで言い切った

 米軍の圧政からの脱却を願い、復帰運動を闘う沖縄にあって吉本さんの主張はにわかに受け入れ難い面もあっただろう。復帰40年、沖縄は「地獄」を脱したか。現在の沖縄に感じるイメージとともに「吉本語」をもう少し聞きたかった。 
(琉球新報3/17、記事原文はコチラ



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