2010年06月17日
喜納昌吉著 「沖縄の自己決定権」
(琉球新報6/16、記事全文はコチラ)
知事首相会談 「県内拒否」伝えてほしい
仲井真弘多知事が菅直人首相と15日に初めて会談し、普天間飛行場の移設先を名護市辺野古崎地区とする日米合意について「実現は極めて厳しい」と伝えた。
発言は県内世論の現状を指摘しただけで、いまひとつインパクトに欠ける。知事自身が何を望んでいるかが見えてこないからだ。
どうして「県内移設は拒否する」ときっぱりと表明しないのか。普天間飛行場代替施設の県内押し付けに反発する多くの県民は、歯がゆさを感じているに違いない。
仲井真知事はもともと県内移設に反対していたわけではない。2006年の知事選では「現行のV字形案のままでは賛成できない」と公約、「県外移設がベスト」としながらも、移設計画の修正を求める立場だった。
だが4月25日に超党派で開催された「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」に参加、同飛行場の早急な危険性除去と県民の過重な基地負担の軽減を訴えた。「普天間」の撤去を求める県民世論を重く受け止めたからにほかならない。
琉球新報と毎日新聞が5月末に合同で実施した県民世論調査では、日米合意した辺野古移設への反対が84%を占めた。今や県民の大多数は県内移設反対だ。にもかかわらず、知事が第三者的な発言に終始しているのは理解に苦しむ。
今、最も知事に求められているのは、民意を体して行動することではないのか。
残念なのは首相との会談を終えた仲井真知事が「政府と意見交換しながら方向を見つけていくしかない。政府に注文を付けていく」と記者団に説明したことだ。
真意はどうあれ、政府の出方次第では妥協の余地があるようにも受け取れる。民意に反した、誤ったメッセージを日米両政府に与えかねない。
会談で菅首相は日米共同声明に沿って沖縄側と話し合っていく意向を示したという。「沖縄の理解を得る」ということは民意の分断と同義だ。政府につけ入るすきを与えたのでは禍根を残す。
戦後65年間、一方的に基地を押し付けられてきた歴史を顧みると、これ以上の負担は到底容認できない。知事は一切の妥協を排し、政府に「拒否」の意思を突き付けてほしい。 (琉球新報6/16社説)
なんとも歯ごたえのないふたりの会談、双方にとってアリバイづくりの観がないでもない。
今回の改選議員(民主比例)の喜納昌吉氏は、これまでの菅発言に注目する。というかコキおろす。
(琉球新報6/16)
菅直人首相が2009年9月の政権交代後、沖縄の米軍普天間基地移設問題について周囲に「沖縄基地問題はどうにもならない」「沖縄は独立したほうがいい」という旨の発言をしていたと、喜納昌吉参院議員が自著の中で明らかにした。本当にそう発言したのかは不明だが、新聞で報じられるなど、大きな波紋を呼んでいる。
2010年6月1日、民主党沖縄県連の喜納昌吉参院議員(62)の著書『沖縄の自己決定権 地球の涙に虹がかかるまで』(未來社)が発売された。7月の参院選に比例代表で出馬する喜納氏が、自身のこれまでの歩みと政治信条をインタビュー形式で語った本だ。

「もう沖縄は独立したほうがいいよ」
喜納昌吉参院議員の『沖縄の自己決定権』。
その中の「沖縄の自立に向けて」という章に、09年9月の政権交代後、当時副総理だった菅氏に会った際、米軍普天間基地移設問題について話し合った内容が書かれている。
喜納氏が「沖縄問題よろしくね」と言ったところ、菅氏は「沖縄問題は重くてどうしようもない。基地問題はどうにもならない。もうタッチしたくない」と発言。最後には、「もう沖縄は独立したほうがいいよ」とまで言ったという。
以前から沖縄独立を提唱していた喜納氏はこれに「あ、菅さん、ありがとう!」と返したというが、著書の中で「半分ジョークにしろ、そういうことをいま副総理でもある、財務大臣でもある、将来首相になる可能性もある彼が言ったということ、これは大きいよ。非公式だったとしても重い」としている。
「沖縄の自立、独立を国民的に議論する時期」
首相がかつて普天間問題に匙を投げ、沖縄独立を推奨するような言葉を漏らしていたということで、喜納氏のこの証言を2010年6月16日までに新聞数紙が報道。産経新聞は23日に首相が沖縄訪問を予定していることに触れ、「就任前とはいえ、国土・国民の分離を主張していたことは大きな波紋を呼びそうだ」とした。これを受けて同日午後、喜納氏はツイッターに
「菅さんは総理に就任して決定権を持った。菅さんなら、沖縄県民が望む未来像を描いてくれるかもしれない。一国ニ制度も含めて、沖縄の自立、独立を国民的に議論する時期がきたのだと思う」
と投稿している。
もっとも、菅首相が本当にこのように言ったかは不明だ。仙谷由人官房長官は16日の会見で喜納氏の証言について「著作を読んでいない。検証のしようがない伝聞証言は刑事訴訟法でいえば証拠能力がないということ」と慎重に発言。菅首相に事実確認するかどうかも「今のところない」としている。
『沖縄の自己決定権』には、喜納氏が03~4年頃に、民主党の小沢一郎前幹事長に「いつか沖縄が独立したいと思えば独立させてくれますか」と聞いた場面も出てくる。小沢氏は「沖縄民族が独立したいと思うなら、ほんとうに歩けるような道筋を作ってからなら独立してもいい、それも考えてみよう」と回答したという。
Posted by ミチさん at 13:41│Comments(0)
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