2009年08月03日

国境の島の選挙

いつもは無風の町長選挙がにわかに全国の耳目を集めた

与那国島のはなし

結果は103票差

でもそれが意味することは?



ちょっとおさらいしましょう

6月30日、外間守吉与那国町長、崎原孫吉同町議会議長らが上京。防衛省に浜田靖一防衛相、火箱芳文陸上幕僚長をそれぞれ訪ね、同町への陸上自衛隊の配置を求める要請書を手渡した。与那国町長が防衛相に対し、自衛隊誘致を要請するのは初めて。外間町長によると、浜田防衛相は要請の趣旨に理解を示し、与那国島への自衛隊配備に前向きな姿勢を示した。火箱陸幕長も「中期防衛力整備計画や防衛大綱の中に盛り込めるか作業を進めたい」と積極的に対応する姿勢を示した。

このニュースが公になるや否や、当の与那国島では、「寝耳に水だ」「住民投票で島民の意思を確かめよう」と住民のさまざまな意見が表面化。

地域の振興、活性化
いやそんなことでキナくさいもの持ち込むな!

どこかで聞いたことがあるような
沖縄ではどこにでもころがっていそうな話

そんなことがあって1ヶ月、
与那国島で次期町長を決める町長選挙があった。

自衛隊の誘致こそ島の活性化につながると自衛隊誘致を推進させようとする現職町長。
台湾との関係をそこなえばそれこそ島にとってマイナスと誘致に反対の立場で立った対立候補の一騎打ち。

そしてその結果は・・・


琉球新報8/3記事より(太字等はブログ管理者が編集しています)

外間氏が再選 与那国町長選 自衛隊誘致 「民意示された」


【記事全文】
 【与那国】任期満了に伴う与那国町長選挙が2日投開票され、外間守吉氏(59)=無所属、自民、公明推薦=が619票を獲得し、元町職員の新人・田里千代基氏(51)=無所属=に103票差で再選した。投票率は96・03%(前回97・14%)。

 同町長選は、人口減少が進む同町の地域活性化策として、自衛隊誘致の是非や台湾との国境交流の手法が主な争点だった。
 当日有権者は1208人(男605人、女603人)。

 外間守吉氏(ほかま・しゅきち) 1949年10月8日生まれ。同町祖納出身。沖縄国際大卒。「福山海運」元代表。78年から与那国町議4期。86年から町議会議長。2005年町長選初当選。

 外間守吉氏の話 今以上に与那国島が発展することを約束する。自衛隊誘致に民意は示されたが、住民説明会を開き、必要なら住民投票も行う。

▽与那国町長選開票結果
当 619 外間 守吉 無現
  516 田里千代基 無新
(選管最終)

◆経済活性化に期待感/「自衛隊」町民議論へ
 外間守吉氏の再選は、1期4年間の実績への評価と、自衛隊誘致を含めた経済活性化への期待感の表れだといえる。ただ、自衛隊誘致の直接的な是非については、外間氏が政策から外し、反対派の新人と論戦を交わす予定だった公開討論会も中止になるなど、議論が十分に深まらなかった。

 町長選は3月に外間氏が出馬表明した後、対立候補が出ず、無投票の可能性が強くなっていた。だが町長や町議会議長が6月30日に浜田靖一防衛相に自衛隊誘致を要請したことで一変。告示日19日前の7月9日、田里千代基氏が出馬を決めた。

 自衛隊誘致が最大の争点となるはずだったが、町内は地縁血縁が強く、町民の自衛隊誘致への意思は見えにくかった。

 自衛隊誘致について外間氏は当選直後、自衛隊配備に対する住民の意思確認について「説明会を開き、その上で必要なら住民投票も行う」と話しており、あらためて議論し、意思を示すことになる。(深沢友紀)


◆「住民の意見聞く」/自衛隊誘致 田里氏は反対継続
 【与那国】島に自衛隊は必要か、否か―。自衛隊誘致をめぐって島を二分した激しい選挙戦を制し、再選を決めた外間守吉さん(59)は「町民一人一人の気持ちがこの結果を生んだ。民意は示された」と表情を緩ませ、駆け付けた多くの支援者と喜びを分かち合った。

 一方、敗れた新人の田里千代基さん(51)は「残念な結果だった」と敗戦の弁を述べた。

 町長選は町への自衛隊配備を浜田靖一防衛相に要請した現職の外間さんと、反対を掲げて出馬した新人の田里さんの一騎打ちとなった。台湾の国境交流の手法でも対立し、約20日間の短期決戦は熱を帯びた。

 外間さんは当選後のあいさつで自衛隊誘致に触れず、取材陣に「自衛隊配備で具体的にどうなるか(国から)示された後、住民に対して説明する責任がある。住民の意見を聞きたい。状況を見ながら住民投票するか決めていきたい」と述べた。

 一方、与那国防衛協会の金城信浩会長(65)は「住民投票なしで自衛隊誘致への賛成が示された」と満面の笑みで語った。

 外間さんに投票した自営業の女性(51)は「今の人口では商売が成り立たないし、自衛隊が来れば医療が充実する。そうすれば(自分の)弟のように搬送遅れで半身不随になるようなこともない」と自衛隊配備への期待をにじませた。

 一方、田里さんは「選挙中は町づくり政策を中心に訴えてきた。日々支持が強くなっていると感じていただけに、残念な結果だった」と唇をかみしめた。争点となった自衛隊誘致の是非については「ほかにも争点があったので、町民が自衛隊誘致に賛成ということにはならない」と強調し、今後も反対活動を続ける意志を示した。  与那国島への自衛隊誘致に反対する住民の会共同代表の新崎長吉さん(67)は「外間陣営は争点をぼかし、誘致に賛成か反対かの投票ではなかった。みんなと話し合い、住民投票を求めるなどの活動を続けたい」と述べた。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-147931-storytopic-3.html








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