2013年02月24日

[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ

[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ 
(琉球新報2/24、記事原文はこちらこちら



琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2013.02.23 日米首脳会談 普天間基地の辺野古移設を確認


琉球新報2/24社説  日米首脳会談 犠牲強いる“同盟”は幻想
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日米首脳会談 犠牲強いる“同盟”は幻想

 安倍晋三首相がワシントンでオバマ米大統領と初めて会談した。環太平洋連携協定(TPP)や安全保障など幅広い分野で連携を確認したことを受け、首相は「緊密な日米同盟が完全に復活した」と宣言した。

 しかしながら、県民が最も関心を寄せる米軍普天間飛行場の返還・移設問題については、またしても“空手形”が振り出されたと、深く嘆息せざるを得ない。

 焦点だったTPPに関しては、共同声明が発表され「一方的に全ての関税を撤廃する約束を求められるものではない」と明記。日本が交渉参加の前提とした関税撤廃の「例外」を認めた。

 一方で声明は「全ての物品が交渉の対象」とする基本原則を真っ先に掲げており、日本の交渉参加を促すための妥協の産物であることは疑いようがない。

 安倍首相は「なるべく早い時期に決断したい」と前のめりの姿勢をあらわにしたが、日本が高い関税を課しているコメなど農産品の「聖域」を保証するものではないことを肝に銘じる必要がある。

 そもそも自民党のTPP反対派議連には200人以上が名を連ねるなど抵抗は根強い。首相は、TPP参加で想定される利点や不利益を洗いざらいにし、対処法も明示するなど、国民への説明責任を最優先すべきだ。国内論議を置き去りにして、軽々に交渉参加を表明すべきではない。

 懸案の普天間問題で両首脳は、名護市辺野古移設の推進方針で一致した。だが、県内移設は知事が事実上不可能との立場を鮮明にし、県内全41市町村長が明確に反対している。日米合意自体が有名無実化している現実を、両首脳はいいかげん直視すべきだ。

 首相の日米同盟復活宣言は、基地の過重負担の軽減を切望する県民からすれば、対米追従路線の拡充・強化としか映らない。長年にわたって沖縄が強いられている構造的差別を解消する方向に直ちにかじを切ってもらいたい。

 首脳会談で、辺野古の埋め立て申請時期に触れなかったことが、沖縄に対する免罪符になると考えているとすれば、思い違いも甚だしい。日米安全保障体制が沖縄の犠牲の上に成り立っている状況を抜本的に改善しない限り、日米関係の強化も完全復活も、幻想にすぎないと自覚すべきだ。
(琉球新報2/24社説、記事原文はこちら


沖縄タイムス2/24社説 [日米首脳会談] 移設強行は最悪事態だ
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[日米首脳会談] 移設強行は最悪事態だ


 「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言したい」

 就任後初めてオバマ米大統領との首脳会談に臨んだ安倍晋三首相は記者会見で、最大級の表現を用いて交渉の結果を自画自賛した。

 同じ一つの事象を見ていながら、見る側の立ち位置によって、全く違って見えることがある。今回のケースはその典型例だ。

 米軍普天間飛行場の移設問題について両首脳は、日米合意に沿って早期に進めることを確認した。埋め立て申請の時期には言及していないものの、これによって3月中の埋め立て申請の可能性が強くなった。

 だが、辺野古への強引な移設作業によって「日米同盟の強い絆が復活する」と考えるのは、あきらかな誤りだ。希望的観測に浸るのではなく、厳しい現実を直視すべきである。

 日米安保体制は、米国が人(軍隊)を提供し、日本が物(基地)を提供する「人と物の協力関係」で成り立っているといわれるが、沖縄は復帰後も、物の大部分を負担し続けてきた。

 辺野古への移設計画は、当初の海上ヘリポート構想と違って、普天間よりも高機能の基地を建設し、そこを拠点にしてオスプレイを運用するというもので、基地の過重負担を半永久的に沖縄に強いるものだ。

 超党派の県民大会や、東京要請行動などに示された沖縄の切実な民意を、新基地建設のために踏みつぶすようなことがあってはならない。

    ■    ■

 沖縄の声を無視して移設作業を強行すれば、沖縄社会全体に取り返しのつかない亀裂が生まれ、深刻な社会的混乱を引き起こすだろう。

 現実を直視すべきだというのはそういう意味である。日本本土でできないものは沖縄でもできないのだ。

 日米首脳会談で浮かび上がったのは、尖閣諸島をめぐる国益の違い、安倍政権の外交姿勢に対する米国の懸念である。

 米議会調査局は最近、「米国が(日中の)軍事衝突に巻き込まれる可能性がある」との報告書をまとめた。米国で「巻き込まれ」を懸念する声が拡大している。

 訪米中、安倍首相が尖閣問題で「冷静な対処」を繰り返し強調したのは、米側の懸念を打ち消すためだ。

 米国は、領有権問題や歴史認識をめぐる日中、日韓のきしみを懸念し、日本の右傾化を警戒している。安倍政権はそのことにもっと敏感になったほうがいい。

    ■    ■

 環太平洋連携協定(TPP)について米側は、関税撤廃の例外を事実上認めた。安倍首相は帰国後、自公両党から政府一任を取り付けた上で早期に交渉参加を決断する見通しである。

 安倍訪米の最大の成果だという声もあるが、農業団体などはまだ納得していない。

 影響を受ける農業団体などの懸念に丁寧に向き合い、影響の度合いと対策を各省ごとにではなく、政府として統一的に、早急にまとめ、国会論議を深める必要がある。
(琉球新報2/24社説、記事原文はこちら


2/25追記

[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ 
(沖縄タイムス2/25)



[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ
(沖縄タイムス2/25)


 
琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2013.02.25 辺野古埋め立て問題 名護漁協への同意申請の動きは


2/26追記

[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ 
(琉球新報2/26、記事原文はこちら



[日米首脳会談] 辺野古への移設強行は最悪事態だ 
(沖縄タイムス2/26)



琉球朝日放送のニュース映像(動画)
2013.02.26 朝の競り市で 国 名護漁協へ同意申請提出
2013.02.26 国 漁協に同意申請 アセス訴訟原告団の反応



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Posted by ミチさん at 23:59│Comments(0)辺野古新基地建設
 
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