2011年07月30日

由井晶子 「沖縄 アリは象に挑む」 

《沖縄では、福島第一原発事故のすさまじい被害を沖縄の基地と重ねて考えないわけにはいかない。

最も貧しいところに、危険でまた地球に害を及ぼす もの、最も嫌われているものを、経済振興というアメをつけて押し付ける。

地元はアメによって潤い、それに依存せざるをえず、将来に負荷がかかり自立が困難になる。

その構造 は、基地も原発も同じなのだ。》

《「この本が編年史として、事典的に“引く”本になればと願う。とくに本土の人に利用していただきたい」》

『沖縄 アリは象に挑む』より



由井晶子 「沖縄 アリは象に挑む」  
(七つ森書館 2011.6月発刊)



目次

プロローグ(コチラで読めます http://pen.co.jp/index.php?id=603

第1章 巨大・恒久基地に化ける
     米軍基地批判の大田昌秀知事、三選ならず
     すばやく動く市民運動が活力をうむ
     日本復帰三〇年、節目の年は軍事同盟強化と重なる
     巨大・恒久基地に化けた海上ヘリポート案
     環境運動と反基地運動の連携が始まった
     世界的に認められている環境正義をうち出す
     問題山積の沖縄、「まだ間に合う」

第2章 辺野古ボーリング調査を阻止する
     辺野古基地建設が動きだす
     「ジュゴンとラムズフェルドの裁判」始まる
     米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落!
     「米軍ヘリの墜落は最後の警告」と中学生が発言
     クレーン船と単管、アリと象の闘いがはじまる
     押しまくる政府と押し返す市民の攻防は激しく
     ジュゴン判決が日本単独建設説のウソをあばき出す
     「辺野古」ボーリング阻止一周年、座り込み三万人をこえる
     ジュゴン保護のために二四時間作業の阻止行動はじまる
     ヤマトンチュの鈍さに「本土」不信が広がる
     基地負担軽減の要求が全国へ届かず

第3章 日米両政府の圧力に抗する
     日「辺野古内陸案」米「浅瀬案」沖縄政界は複雑に入り乱れる
     沿岸案N Oで稲嶺知事はふんばる
     県民の意思は頭越し沿岸案に反対だ
     一〇年ぶりの大集結、運動は始まったばかり
     死せる孔明(岸本名護市長)生ける仲達(額賀防衛庁長官)を走らす
     唐突なV字案に県民・住民・沖縄は合意しない
     全国に拡がる基地負担強化に反対の声、沖縄は簡単には参らない
     ヤマト不信・高江ヘリパッド反対、新しい運動からの出発へ
     高江ヘリパッド阻止行動は、新たなうねりを起こすか
      辺野古と高江のヘリパッド阻止闘争は連動する
     辺野古の「命を守る会」金城祐治さんの死に思う
     防衛省の利権汚濁と米軍再編はV字案にも連なる
      獅子身中の虫に、知事もアセス総括説明を要求する
     ジュゴン訴訟で原告勝利判決!
      へこたれない運動、量から質への転換
     大江・岩波裁判勝訴は辺野古・高江に通じる
     ジュゴン訴訟、アセス、教科書裁判など理詰めで「不当性」追及する

第4章 「知る権利」確立に向かう
     県議会で「辺野古新基地建設反対決議」を可決
     外交機密でない「密約文書」を隠す政府、情報公開請求動き出す
     知る権利を要求して、「非公開外交」をただす
     頭越しの米海兵隊グアム移転協定に反対する
     非暴力直接行動から頭脳的な闘いに運動も進化した
     「知る権利」確立の闘いは沖縄から新しい状況をうむ
     県アセス審査会では沖縄防衛局に厳しい質疑が行われる
     「沖縄B D」結成、平和・人権・環境の再連繋へ

第5章 鳩山民主党政権は迷走する
     民主党圧勝したが、政権交代世替わりもたらすか……
     辺野古アセスでは沖縄防衛局は落第だ
     「新基地建設反対」の県民意思は圧力に屈しない
     沖縄から鳩山首相包囲網、新基地反対の圧力が強化される
     求められる根本的な検証、海兵隊の居場所は必要か
     公平、平等求める沖縄に「ヤマト不信」が募る

第6章 「抑止」は「ユクシ(ウソ)」
     鳩山にレッドカード、その先に厳しくとも絶望せず
     菅新首相の初来沖にアキ缶たたいて抗議と拒絶
     伊波vs.仲井真、民主政権は知事選にどう向かう?
     現職知事の勝利、「県外」の公約は守らせる
     民意を盾に交渉を! 向かうべきは米国だ
     名護市が沖縄をまとめた、地元を抜きにするな
     鳩山首相の「抑止力は方便だった」発言にびっくり!
     「メア発言」抗議の勝利後、災害救助口実に基地固定するな
     原発も基地も弱い地域に、東北も沖縄も同じ構造だ
     あえて「挙国一致」の先に何が……を疑う

エピローグ

あとがき──編集を終えて 浅井真由美


由井晶子 「沖縄 アリは象に挑む」  
(沖縄タイムス7/29)



書評

由井晶子 「沖縄 アリは象に挑む」  
(沖縄タイムス7/30)



この書評を書いた佐藤優さん
このブログでも彼のコラム「佐藤優のウチナー評論」(琉球新報連載)を度々紹介してきました。(取り上げた回はタグ検索で)
その「佐藤優のウチナー評論」が本になりました。

由井晶子 「沖縄 アリは象に挑む」  
(琉球新報7/30)






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Posted by ミチさん at 15:27│Comments(0)書籍
 
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