2011年05月31日
大丈夫か 法の番人
(沖縄タイムス5/31、記事原文はコチラ)
この最高裁判決がきょうの朝刊1面トップ記事だった新聞は沖縄タイムスのほか全国に何紙ぐらいあったのだろう。しかし取り上げた各新聞社のスタンスは大きく違う。
琉球新報はきょうの1面コラムに次のような文章を載せた(以下引用)
俳優の山本太郎さんが所属事務所を辞めた(29日付社会面)。脱原発発言が背景にあるようだ。福島第1原発事故以来、放射能汚染の危険をネットで訴え、デモにも積極的に参加してきた
▼年間20ミリシーベルトという文部科学省の被ばく量基準については「殺人行為です」と痛烈に批判。福島の子どもたちの未来を憂い、疎開を勧めている。23日には父母らと一緒に文科省に抗議した
▼その後、ドラマを降板したと明かし、自らの意思で事務所を辞めたという。芸能界には、脱原発を言い出すと締め出されてしまう風潮があるのだろうか。「ニッポンは一つ」が声高に叫ばれる中、異論を唱えることは横並びの日本社会では難しいのか
▼大阪府の橋下徹知事率いる大阪維新の会が、君が代の起立斉唱を教職員に義務付ける条例案を出した。1999年の国旗国歌法成立の際、政府は「強制しない」と答弁していたが、風化したのか
▼国への愛着は自然に培われるもの。好きではない人に好きになれと無理やり押し付けても、心は変わらない。思想・良心の自由を脅かす上に、自由な教育の場が窮屈になってしまう。寛容の精神が不可欠だ
▼70年前、この国は異論を許さぬ重い空気に覆われていた。少数意見を認めず、人々が一色に染まることほど危険なことはない。違う考え方を排除する社会を、もう二度とつくってはいけない。(琉球新報5/31コラム「金口木舌」より)
また、昨日の沖縄タイムスの1面コラムも同じテーマで書いていた。2紙の心意気を感じます。こういう問題にいつも敏感でいたいと思います。(以下引用)
サッカー日本代表イレブンが試合前、胸に手を当てて君が代を歌う。W杯などではおなじみの光景だが、中には歌わない選手もいる。歌う歌わないは本人の自由意思。決して強制されるものではない
▼しかし、大阪府の教職員は起立・斉唱を強いられることになりそうだ。橋下徹府知事を代表とする「大阪維新の会」の議員らが、起立・斉唱を義務付ける条例案を提出した
▼なぜ今なのかという疑問がつきまとう。同会は先月、府や市の議員選で大躍進したばかり。選挙前にはほとんど争点にもならず、市民を交えた議論がどれほど尽くされたのか。多数を盾に、力ずくの姿勢が見え見えだ
▼条例案は、国や郷土を愛する心を育てることが目的の一つ。しかし、郷土愛などは自然発生的な気持ちで敬意を表すことが本来の姿であり、強制するものではない
▼ましてや君が代の場合、戦争を想起させる、として拒否する人は少なくない。だからと言って、「歌わない=愛国心がない」とは言えまい。個人の思想信条を法律でゆがめることは許されない。むしろ、さまざまな意見があることを教育現場で教えることが大切だ
▼押し付けられれば、息苦しい。規律の厳格化だけでは学校の雰囲気は張り詰める。もの言わず縮こまる先生を、子どもたちはどう思うか。不安だけが募る。(平良哲)(沖縄タイムス5/30コラム「大弦小弦」より)
(沖縄タイムス5/31)
(琉球新報5/31)
【関連する日記アーカイブ】
2011.05.22 橋下さん、それを言っちゃあ慎太郎知事とおんなじだ
6/2追記
(琉球新報6/1社説、記事原文はhttp://ryukyushimpo.jp/news/storyid-177705-storytopic-11.html " target="_blank">コチラ)
(沖縄タイムス6/1社説、記事原文はコチラ)
6/4追記
(琉球新報6/4)
(沖縄タイムス6/4)
6/6追記
(琉球新報6/6社説、記事原文はコチラ)
7/7追記
沖縄は独自の道を行きます
(沖縄タイムス7/7、記事原文はコチラ)
Posted by ミチさん at 23:37│Comments(0)
│大丈夫か この国