2010年07月11日
変えるべきは首相ではなかったのでは
きのう菅首相は選挙応援の福井県坂井市の街頭演説で「普天間のことで少し心配をお掛けしたが、それもクリアして・・・」と言ったそうな。
マスコミが言うように、きょうの参院選で民主党が惨敗さえしなければ、それで「禊(みそぎ)は済んだ」ことにされてしまいかねない。そうなったら先送りされ、何ひとつ解決のメドの立っていない問題はいったいどうなるの?
それ以上に、昨年夏に政権交代を実現させた有権者にしてみれば、望んだ政治がますます遠ざかってしまう。
過去を振り返ってみても仕方ないとも思うが、もう一度私たち自身の立ち位置を確認し、私たち自身のボタンの掛け違いについて、選挙結果にフィーバーする前に、6月の政変(鳩山辞任)を再考することは意味のあることだと思う。
(沖縄タイムス7/11)
ざけんじゃない
マスコミが言うように、きょうの参院選で民主党が惨敗さえしなければ、それで「禊(みそぎ)は済んだ」ことにされてしまいかねない。そうなったら先送りされ、何ひとつ解決のメドの立っていない問題はいったいどうなるの?
それ以上に、昨年夏に政権交代を実現させた有権者にしてみれば、望んだ政治がますます遠ざかってしまう。
過去を振り返ってみても仕方ないとも思うが、もう一度私たち自身の立ち位置を確認し、私たち自身のボタンの掛け違いについて、選挙結果にフィーバーする前に、6月の政変(鳩山辞任)を再考することは意味のあることだと思う。
変えるべきは首相ではない
米軍普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と公言した鳩山由紀夫前首相が6月、辞任した。時々の発言が歴代首相と大きく異なり「宇宙人」などと揶揄された鳩山前首相は、辞任理由を「国民が聞く耳を持たなくなったため」とした。多くの評論家が「責任転嫁」と批判した発言だが、日本が抱える深刻な問題を浮かび上がらせたと、わたしは思う。
辞任後初のテレビ出演で鳩山前首相は、移設先が辺野古に戻った理由に「外務省も防衛省も『最後はここ(辺野古)しかないぞ』という思いがあった」と語った。その後も新聞やテレビで周囲の非協力を示唆。「(移設は)県外、海外という道を追求し続けるべきだ」とくくっている。こうした発言は、自身のふがいなさに対する言い訳だと切り捨てることもできる。だが振り返れば、普天間問題で鳩山内閣は異様な対応を繰り返した。
首相が「県外」と言ったのに、直接の担当者である岡田克也外相と北沢俊美防衛相、平野博文官房長官はひたすら県内を模索。同じ内閣で前原誠司沖縄担当相や菅直人副総理は全くタッチしなかった。リーダーの言葉に耳を貸す腹心が一人もいないいびつさ。それは辞任劇でも明らかになった。鳩山前首相が辞めた一方、リーダーを孤立させた大臣はみな内閣に。メディアをはじめ国民世論は鳩山辞任を歓迎し、菅首相誕生後の世論調査で52%が、日米共同声明を踏襲する方針を評価した。
「最低でも県外」は鳩山前首相の言葉であると同時に沖縄県民の総意だ。大臣や国民には「宇宙人」の言葉に聞こえたのだろうか。変えるべきは、「沖縄」という少数意見に耳を傾けた首相の首ではなかった。「沖縄の人々には気の毒だが、歴史を逆戻しするわけにはいかない」。先日、石原慎太郎東京都知事が言い放った大多数の論理こそ、変えるべきだ。(沖縄タイムス政経部・黒島美奈子 「沖縄タイムス7/10複眼より」)
(沖縄タイムス7/10)
Posted by ミチさん at 16:48│Comments(0)
│発言する沖縄の記者たち