2012年05月21日

誰が総理になっても外交・防衛が変わらない理由

きょうの琉球新報社説です

5.15鳩山氏発言 言葉だけでなく行動を


 そこまで言うのなら、首相在任中になぜもっと頑張らなかったのか。何をいまさらとの思いも残る。

 鳩山由紀夫元首相の発言のことだ。5月15日の「復帰40周年記念式典」出席のため来県し、講演や本紙とのインタビューで、あらためて米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設は困難との認識を示した。県外移設に向け日米両政府は仕切り直しすべきだと主張した。

 「最低でも県外」の公約を捨て、辺野古移設に回帰した判断は裏切り行為と、多くの県民から批判された。しかしまた、このことも契機に、「県内移設ノー」が沖縄の民意として確固としたものになったのも事実だ。鳩山氏の今回の言動については、好意的とは言わないまでも、氏の主張を再検証するきっかけにしても良いと受け止めた県民も少なくないだろう。

 それに比べ本土メディアは、発言を非難する冷ややかな報道が目立った。テレビのワイドショーでは、再び沖縄県民に幻想を抱かして罪深いといった趣旨の発言があった。「相変わらずの宇宙人ぶり」と書いた新聞もあった。普天間問題を鳩山氏だけの責任に矮小(わいしょう)化し、「県外移設」などできっこないという世論が当たり前のように醸成されていないか。そうした風潮に違和感を禁じ得ない。

 普天間の県外・国外移設はもはや、沖縄にとって幻想ではない。党派を超え県民の誇りや自己決定権にかかわる要求だ。2000年の沖縄サミットで外務省から県に出向してサミット推進事務局長を務め、今年3月に外務省を正式に辞め、東京外国語大教授専任となった山田文比古氏は、一枚岩になった沖縄の民意を「化学変化」と、最近の論考で表現した。まさに「不可逆的」ということだ。

 鳩山氏はその化学変化で、触媒の役割を果たしとも言えるが、今後には注文を付けたい。鳩山氏は本紙インタビューで、県外移設が頓挫した要因として「防衛、外務官僚はいかに辺野古に戻すかに腐心していた。政治主導で、オバマ大統領との直接対話など、官僚を飛び越えた議論ができなかった」と述べた。

 ならば今度こそ、政治主導で民主党内でも化学変化が起こるように、普天間問題解決への本気度を、言葉だけでなく行動で示してほしい。そうして初めて、政治家としての歴史的評価が定まると、自覚してもらいたい。
(琉球新報5/21社説、記事原文はこちら


誰が総理になっても外交・防衛が変わらない理由 
(琉球新報5/19)



誰が総理になっても外交・防衛が変わらない理由 
(琉球新報5/16)



5/27追記

誰が総理になっても外交・防衛が変わらない理由 
(琉球新報5/24)


 

5/28追記

誰が総理になっても外交・防衛が変わらない理由  
(琉球新報5/28)




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