2010年10月04日
この人に注目!(7) 新崎盛暉さん
尖閣問題に 沖縄の視点を
国家の論理を超えて
(琉球新報10/4)
最後の部分がスキャンできませんでしたので書き起こします。
対等に向き合う
さて、日米外相会談が行われた同じ時期、国連総会に出席するため訪米していた温家宝首相とオバマ大統領の首脳会談が行われたが、そこでの話題は、もっぱら中国元の切り上げなど経済問題に終始した。にもかかわらず菅首相は、オバマ大統領に対して、5・28日米合意に基づく問題解決を強調している。
ここに、現在の米中日の関係が如実に反映されている。だが、日中の経済的相互関係は、米中に劣らず重要である。観光客誘致に熱を上げている相手を、別の軍事大国を後ろ盾にした抑止力の対象にするという政策が通用するという時代ではなくなっているのである。日本は、戦後65年も続いていた対米従属的日米関係を脱して、アメリカとも、中国とも対等に向かい合うしかない。そしてわたしたちは、国家の論理にとらわれることなく、国境を越える民衆相互の文化的経済的交流と相互理解を深める努力をしていかなければならない。(新崎盛暉・沖縄大学名誉教授)
新崎盛暉さんは若いころより「実践」「研究」「運動」 のいずれにも力を入れてこられためずらしい大学人である。
その力の源は“沖縄に押し付けられた不条理”であり、74歳になる現在でもその情熱はまったく変わっていない。
沖縄の若い研究者たちが彼の下から育ち、今の沖縄の住民運動を支えている。
このブログでも何度か取り上げてきたがこの機会に再読していただけたらと思う。
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新崎盛暉(あらさき-もりてる)
昭和11年1月27日生まれ。中野好夫主宰の沖縄資料センター研究員として沖縄戦後史を研究。昭和49年沖縄大助教授となり,58年から平成元年まで学長をつとめる。また石油備蓄基地反対闘争,一坪反戦地主会など沖縄の住民運動に参加。東京出身。東大卒。著作に「戦後沖縄史」「沖縄の歩いた道」「沖縄現代史」など。
Posted by ミチさん at 21:36│Comments(0)
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