2011年06月30日

大株主は「脱原発」望まず

今週に入り、東京電力や関西電力などの株主総会が行なわれた。
総会の様子も例年とは一変したとか。過去にない参加者の数、終了までにかかった時間、警備体制等等。
総会の参加資格は、100株からになっていて、反原発・脱原発の人もその中に混じっていて質疑応答や動議などが繰り返された。しかしもともと、大株主は委任状で会社側に委任をしているので、その議決権に要する数は、会場に集まった数の過半数以上。だから議決の賛否について、挙手の数を数えなくても、会社側の方針(原案)通りとなる。

テレビのそんなニュース映像を見ていて気になったことがある。
多くの会場ではテレビカメラが会場内に入れず会社が用意したモニター画面を流していたのだが、個人株主の生の声をということで路上取材。企業の社会的責任に言及する大きな話から、持ち株が暴落して大損したという小さな話まで。もちろん本人たちは真剣だ。でもおかしくはないか。

会社側は株主に対し損失を与えたので株主総会で頭を下げる。しかし東電の場合、その株主は頭を下げてもらうだけでいいのか。そもそも、株主には”株主責任”というのがあり、もっている株の会社との間には「連帯責任」があるはず。ならば会社がこれだけ世間を騒がし大きな迷惑を(とくに福島県民に)をかけたというのに、個人株主の口から謝罪の言葉は一切ない。株主自身、自分を被害者だと思っている。今回の場合、東電の全株主は“加害者(共犯者)”なのだ。

どうみても赤字決済になることがわかっていて、どうしてこの人たちはいつまでも東電株を持ち続けているのだろう?素人の私にはこれがよく分からない。親方日の丸でなんとかなるとタカをくくっているとしか思えない。やがて巻き返しまたもうけさせてくれるとか・・・

ところでテレビではまったく姿を見せない大株主はどうなっているのか。彼らこそ原発事故の共同正犯、けっして謝罪しない黒幕でもある。彼ら(多くの場合法人株主)は個人株主が遠く及ばないような金儲けのプロである。どう転んでも損をしないように立ちまわれるノウハウをもっている。彼らが見限らない東電なのだ。

ここで東京電力の大株主を紹介しておこう。他の電力会社も知れべてみるとおもしろいよ。

大株主(上位10名)(2010年(平成22年)9月30日現在)

        株主名    株式数(千株)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 59,845
第一生命保険株式会社 55,001
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 54,850
日本生命保険相互会社 52,800
東京都 42,676
株式会社三井住友銀行 35,927
株式会社みずほコーポレート銀行 23,791
東京電力従業員持株会 22,179
SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT-TREATY CLIENTS 17,627
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4) 16,405


大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス6/29、記事原文はコチラ



大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス6/30、記事原文はコチラ



上関原発(中国電力)最新情報

大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報6/28、記事原文はコチラ



大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報6/28)



玄海原発(九州電力)最新情報

大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス6/30)



大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報6/30、記事原文はコチラ




おまけ

大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報6/30)



でも沖縄電力は日本でいちばん電気料金が高い
理由①原発が1基もない
理由②製造業など電気を多く使う産業部門が発達していない(一人当たりの県民所得全国最下位)
理由③冬の暖房の需要なし(夏のエアコン需要も本土を下回る)

電気をたくさんつくり、たくさん使えばコストは下がるのでしょうが沖縄はそうはなっていない。
理由①~③でおおいにいいと思っていますから耐えれます。沖縄は再生可能エネルギーでがんばりま~す

大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス6/30、記事原文はコチラ


この表を見ていて思い出した。

この国の電気料金がべらぼうに高い理由をこの人はこんな風に書いていました。
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51280401.html



7/5追記

大株主は「脱原発」望まず大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス7/5)



大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/4社説、記事原文はコチラ



7/7追記

大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/7)



大株主は「脱原発」望まず大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/7)



7/8追記

大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス7/8、記事原文はコチラ



大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス7/8)



大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/8)



大株主は「脱原発」望まず 
(沖縄タイムス7/8社説、記事原文はコチラ



大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/8社説、記事原文はコチラ



7/9追記

大株主は「脱原発」望まず 
(琉球新報7/9社説、記事原文はコチラ



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Posted by ミチさん at 18:17│Comments(2)環境・自然
この記事へのコメント
株主の共同責任とおっしゃられていますが、株主は、出資額以上の責任はありませんよ。何か、勘違いされているのでは?

詳しくは関連法規を読んでね。株の基礎です。
Posted by 法務 at 2011年07月01日 04:49
>法務さん
ご指摘ありがとうございます。
法的にはそうですね。
言いたかったのは数字のことではありません。
株式会社である以上、その会社を支えているのは大小を問わず株主でしょう。その会社が何をつくり、何を売っているのか。世の中に対して善行しているのか、悪行しているのか。そんなこと、株主にはカンケーねえでは困るということです。配当だけにしか興味がないとすればちょっとねえ。
兵器を作る会社に出資しておいて「オレは戦争反対だ」はないでしょ、っていう話です。
みんなもうちょっとそういうことにも関心を持ってくれたら、よりましな社会になるのでは、という話です。
Posted by ミチさん at 2011年07月03日 00:30
 
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