2012年05月21日

国立ハンセン病療養所でいま起こっていること

きょうの琉球新報「金口木舌」です
人間失格ではなかった

 この季節になると「人間の尊厳」を深く考えさせられた国立ハンセン病療養所宮古南静園(宮古島市)での取材をよく思い出す。偏見を持つことがいかに恥ずかしいか、心で接することがいかに大切か教わった場所だ

▼2001年5月11日、熊本地裁であったハンセン病国家賠償訴訟判決。国の隔離政策下での人権侵害を指弾し違憲性を認めた。テレビ画面の勝訴の文字に園内は拍手で沸いた

▼取材を始めた当初、心の奥の距離感を見透かされたのか、入所者の胸の内を聞き出せなかった。ある日ペンやノートを持たずに園の一室を訪ね、長時間思い出話などを聞いた。そんなことを何度か繰り返した

▼そうして迎えた11年前のあの日。原告男性の1人が「人間失格ではなかった」と語り、自然に歩み寄ってくれた。わだかまりもなく喜び合えた瞬間が印象に残る

▼沖縄愛楽園(名護市)と合わせると、県内には退所者が400~500人いるといわれる。全国で一番多く、退所者後の地域参画が課題と聞く。差別や偏見を恐れ一般病院への通院に抵抗感を抱く人も少なくないようだ

▼愛楽園と南静園は現在、保険入院医療機関に指定されている。退所者は再入所せず入院が可能となり経済的負担は減った。一歩前進だ。退所者が気兼ねなく地域の医療機関で受診できるようになるまで社会の理解をさらに深めたい。
(琉球新報5/21、記事原文はこちら


全国には国立ハンセン病療養所が12施設がある。そのうちの2施設が沖縄にある。「宮古南静園」(宮古市)と「沖縄愛楽園」(名護市)だ。

1県に2施設あるのは沖縄県のほか岡山県と鹿児島県、その立地に共通点があるからその場所と経緯をぜひ調べてほしい。


国立ハンセン病療養所でいま起こっていること 
(琉球新報5/18)
 


国立ハンセン病療養所でいま起こっていること 
(沖縄タイムス5/21)



【関連する日記アーカイブ】
2011.05.24 国策に翻弄された人たち


5/23追記

国立ハンセン病療養所でいま起こっていること
 (琉球新報5/5)



6/12追記

国立ハンセン病療養所でいま起こっていること 
(沖縄タイムス6/12)



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