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Posted by TI-DA at

2010年09月23日

政治的無人島に住む私たち

よく似ているけど2つの記事は違います。見出しをよく見て。ちがいが分かりますか?

 
(沖縄タイムス9/22、記事全文はコチラ



 
(琉球新報9/23、記事全文はコチラ



 
(沖縄タイムス9/22、記事全文はコチラ



     
強まる基地重圧 政治的無人島ではない
 
民意無視が「敵意」招く


 抱え切れないほどの重い荷物を持たされている人に、もっと持ってほしいとお願いしても限界がある。嫌がる人に「仲良くしたいから」と言って押し掛けても、逆効果しか生み出さない。

 ここ数日の基地絡みの動きをみると、沖縄の民意にはお構いなしの米軍にはこんな常識が通用しないということが鮮明になった。

◆普天間の爆音増確実
 米空軍嘉手納基地は、10月から始まる補修工事で、2本ある滑走路のうち1本が順次使えなくなるとして、1年半の間、所属機が緊急時には海兵隊普天間飛行場を使うと発表した。

 滑走路改修工事は2012年3月まで実施される予定だ。22日にあったダイバート(目的地変更)訓練では、嘉手納基地の航空管制を担う要員や整備兵らが参加し、普天間に着陸したばかりのF15戦闘機に整備兵が駆け寄る様子が確認されている。

 地上要員まで動員し、万全の態勢を敷いたところに、普天間基地使用が恒常化する可能性の濃いことが透けて見える。

 米軍戦闘機の操縦士は練度を維持するため、搭乗回数や訓練時間が義務付けられており、飛行回数を減らすことはできない。

 危険性が指摘される、普天間飛行場はその返還・移設問題が日米間の最大懸案であり続けるが、今回の嘉手納所属機群の追加使用によって、騒音被害など、周辺住民に及ぶ負担が増大することは火を見るより明らかだ。到底容認できるものではない。

 普天間飛行場の騒音は7月の爆音訴訟の控訴審判決で、違法状態と認定されたばかりである。

 判決は、一審で認めなかったヘリコプター特有の低周波音による被害を認め、賠償額も一審から2・5倍に引き上げた。米国内なら建造物があることが許されない「クリアゾーン」が設定されていない点にも触れ、「世界一危険な飛行場」と異例の言及をした。

 危険と過重な負担を背負い続ける普天間に、平然と1年半も負担を増やす神経が分からない。

 空軍と海兵隊の主力航空基地が約10キロ圏内で近接する基地の島の異常さを逆手に取った、安易な負担の横滑りと言うしかない。

 加えて、嘉手納では、外来機のFA18戦闘攻撃機が世界的に使用禁止が広がるクラスター爆弾20発を投下した訓練をしたことも確認され、地元の不安と反発を高めている。

 滑走路改修で運用に支障が出るならば、県内で代替措置を取るのではなく、本国の基地に戦闘機を戻せばよいではないか。

 米本国内では運用できない不適格な普天間に、主力のジェット戦闘機を降ろして負担と危険を増幅させる。基地運用の二重基準はあまりにもひどすぎるが、日米政府は「米本国以外は適用されない」として取り合わず、基地被害に苦しむ住民に背を向けたままだ。

◆軍事目的の寄港明白
 一方、宮古島市では、米海軍佐世保基地の掃海艦が「友好親善」を名目に、県や宮古島市の自粛要請を押し切って入港した。

 米軍艦の県内寄港は、2007年6月の与那国、09年4月の石垣港に続き本土復帰後、3度目となるが、ここ3年余に集中し、いずれも機雷除去が任務の掃海艦である点に軍事的意図が潜んでいる。

 市民団体の抗議の声が響く中、グリーン在沖米総領事は「最近はソマリアや東シナ海、南シナ海、朝鮮半島で緊張が高まる中、航海自由の原則が大切だ」と意義を強調して見せた。

 内戦が収まらないソマリアや核開発を進める北朝鮮、領有権をめぐって日中のあつれきが強まる尖閣諸島を抱える東シナ海の情勢を挙げ、総領事は宮古島への寄港を正当化した。

 親善は名ばかりで、目的は膨張する中国海軍の動きなどをにらみ、先島での軍事的な存在感誇示にあると認めたようなものだ。

 普天間使用と掃海艦寄港に共通するのは、きな臭い米軍の軍事優先の動きであり、警戒と反発を強める沖縄の民意には無視を決め込む構図である。

 139万県民が暮らす沖縄は政治的無人島ではない

 民意を無視した傍若無人な米軍の立ち居振る舞いは、県民の米軍基地に対する視線をとげとげしくし、「敵意」に囲まれた基地と化す可能性を高めるものだ。米軍はそれを自覚すべきだ。琉球新報9/23社説


    
[普天間に戦闘機] 日米対等の虚像をみる


 この溝は埋められない。

 米空軍は嘉手納基地の滑走路修復のため、同基地所属F15戦闘機などを普天間飛行場へ振り向ける予定だ。ヘリコプター騒音の低周波がおよぼす健康被害を高裁が7月に認定したばかりだ。

 この決定をした「良き隣人(米軍)」と、応諾した日本政府はいったい沖縄基地問題をどう認識しているのだろうか、理解に苦しむ。

 「危険性の除去」を優先させると言いながら、これ以上の負担を普天間に重ねることは断じて許されない。普天間爆音訴訟控訴審判決を受けて岡田克也外相(当時)は「重く受け止める。ルース駐日米大使と話し合いたい」と語った。大臣の約束はこれほど軽いものなのか。

 政府はこの運用変更を米側から事前に打診を受けたときに、なぜ制止できなかったのだろうか。過去にも同様な滑走路修復工事はあったが、戦闘機を普天間に振り向ける措置は今回が初めてだ。民主党が「対等な対米関係」と意気軒高に叫んだのが遠い昔のようだ。政権交代してもアメリカに物が言えない従属外交から抜けきれないのだろうか。

 米空軍によると、来月から2012年3月までの18カ月間、嘉手納の滑走路改修工事に伴い、軍用機が普天間で離着陸する可能性が高くなる。22日午前、F15戦闘機2機が普天間の住宅密集地に吸い込まれるように降り立った。

 このまま米軍の都合を優先させるなら、「危険性除去」を合言葉に普天間の県内移設を進める基地政策の正当性が根本から問われる。

 政府は「危険性除去を優先させる」という言葉を、県内移設を進める「免罪符」として使っている。危険な状態を解消するために、とりあえず普天間を名護市辺野古へ移転する「現実的対応」もやむを得ないという考え方だ。

 民主党政権が初めて出した防衛白書は、「最低でも県外」と約束した鳩山由紀夫前首相の「辺野古回帰」について、「県民の負担軽減と危険性除去を優先した」と説明した。

 北沢俊美防衛大臣は「普天間の危険性除去という短期的課題と、海兵隊駐留の長期的課題をごちゃまぜにする」ことが問題を複雑にしていると考えている。

 民主党県連も「危険性の除去を最優先に行い、県外・国外移設を求める」と主張している。

 ところが、これは日本側だけの論理のようだ。今回の措置で普天間の危険性に対する認識を米側は共有していないことが分かった。

 米国務省のケビン・メア日本部長は在沖米総領事だった5月、「厚木基地や福岡空港周辺の人口密度と比べると、普天間は特別に危険ではない」と発言し、物議を醸した。

 鳩山前首相を辞任に追い込むほど政治的にセンシティブな普天間問題なのに米側は火に油を注ぐような挙に出る。米軍が自身の都合を優先させる状況を見せられる度に、対等な日米関係が幻想にすぎないことを思い知る。

 この政府に基地問題を解決する能力は備わっているのだろうか。そこが問われる。沖縄タイムス9/23社説


  


Posted by ミチさん at 18:35Comments(0)反基地